イエスから目を離さないで

「信仰の創始者であり、完成者であるイエスから目を離さないでいなさい。イエスは、ご自分の前に置かれた喜びのゆえに、はずかしめをもろともせずに十字架を忍び、神の御座に着座されました。」ヘブル12:2

  手紙の著者は、11章の中で信仰に生きた人たちを例に上げ、読み手であるユダヤ人クリスチャンたちに「競争を走り続けましょう」と勧めました。ここでの「競争」とは「信仰のレース」のことを指します。信仰者が人生における信仰レースをどのように走り続けたらよいのか、、、その秘訣を本日の箇所から見ていきたいと思います。

  まず、第一の秘訣は、「いっさいの重荷とまとわりつく罪とを捨てる」ということです。信仰のレースで「重荷」になるものって何でしょうか。イエスさまが「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい」(マタイ11:28)と言われたように、重荷とは(おそらく)「思い煩い」や「心配」で悩む人が負っているものを指しているように思います。私たちが自分で出来ることは当然心配することも必要ですが、人間の力ではどうにも解決できないことを(いつもでも)心配することはない。そのような思い煩いや心配を捨てて神にすべて委ねなさい、、、それが信仰のレースを走り続けるための秘訣であると勧めています。また、「まとわりつく罪を捨てなさい」とも勧めています。ギリシャ語で「罪」のことはハマルティアと言います。もともとの意味は「的はずれ」です。(主を信じる信仰者の)人生のゴールは「神の国」である天国ですが、そのゴールから離れて外れてしまう生き方のことを「罪」と言います。皆さんは神さまという「的」に向かって信仰のレースを(まっすぐに)走っているでしょうか。もしも勝手に自分で的をつくり、そこに向かって進むならば、信仰者としての歩みは進まないことでしょう。的外れの生き方をしているからです。神さまイエスさまをしっかり見上げて歩みましょう。

  第二の秘訣は、「イエスさまから目を離さない」ということです。陸上競技の選手は(スタート時からゴールに至るまで)終始ゴールを見ています。他の競技者を終始見ている選手はいないはずです。他のランナーばかり見ていると、焦ってペースを乱してしまうことになるからです。日本昔話に「うさぎとかめ」というお話があります。足の速い「うさぎ」と足の遅い「かめ」が競争して「かめ」が勝つという話です。この話の教訓は何ですか? それは、ウサギは終始かめを見て走っていたけれども、かめは終始ゴールを見て走っていたという点です。信仰も同様に、人ばかり気にして見ていたら、(なかなか)ゴールにはたどり着けません。人生どんな時にも信仰の創始者であり完成者である「イエスさま」というゴールを目指し、イエスさまから目を離さないことが大切なんですね。主を見続けることが大切です。とりわけ、あなたが最も苦しいとき、主があなたに成し遂げて下さった恵みから目を離さないようにしましょう。それが、あなたを元気に回復させる秘訣ですから。